「カヤックフィッシング入門講座」は、おもにカヤックフィッシングのビギナーに向けて、有益な情報やノウハウをお届けする連載。
8回目となる今回は、釣魚別の釣り方講座の第一弾「アオリイカ」です。
(文・写真=赤澤克哉[kayak55.com])

関東の4月〜6月ごろは産卵期の親アオリイカのハイシーズン。一年でもっとも大型がねらえます。1キロ以上あれば「キロアップ」と呼ばれ、良型とされています
カヤック釣りはイカも好ターゲット
エギ(餌木)という疑似餌でイカをねらう「エギング」。なかでも人気なのがアオリイカです。陸っぱりではポイント争奪戦になるほど人気ですが、そんな中で出合ったのがカヤックエギングでした。とはいえ、最初は苦戦続き。カヤックは風で流されやすく、陸っぱりの技術がそのまま通用しなかったのです。そこから試行錯誤が続き、1尾目を手にするまでかなり時間がかかりました(笑)。

伝統的な疑似餌であるエギ(餌木)。写真はエギングブームになる以前の昭和〜平成初期ごろに船釣りで使われていた年代もの。昔は根掛かり防止のため、カンナ(針の部分)の下部がない半傘タイプもよく使われていました
|カヤックならではの攻略法
浅場では、エギを沈めてシャクり、再びフォールさせるのが基本。しかしカヤックでは着底やアタリが取りづらい。そこで有効だったのが「カウントダウンで釣っていく方法」。エギの沈下速度から着底時間を計算し、ねらったレンジを正確に探るんです。例えば1メートル沈むのに3秒かかるエギを水深15メートルで使う場合、キャストしてから5秒でシャクリ始めます(実際はイトの抵抗などもあるので、私は数秒プラスしています)。ラインの変化を見ながらアワせる独特の釣り味が魅力です。

シロイカ型のアオリイカ
関東でよく釣れるのはこのタイプ。名前の通り体色が白っぽいんです。オスは最大3キロに達し、ときに4キロ近い個体が捕獲されることも

アカイカ型のアオリイカ
名前のとおり体色が濃い赤茶色で、黒潮などの暖流が当たるエリアに多く見られます。最大5〜6キロに達します。最近は関東でもよく見られるようになってきました
革命だったティップラン
さらに釣果を劇的に変えたのが2010年ごろから始まった「ティップランエギング」。重めの専用エギと柔らかいロッドを使い、ティップの動きでアタリを取る釣法です。深場も攻められるため、冬のアオリイカにも対応可能に。
そしてカヤック向けに進化したのが「キャスティングティップラン」。遠投後にエギを水平移動させることで、ベタ凪で流れにくいカヤックでも圧倒的に釣果が向上しました。

昨年の3月下旬の釣果。キャスティングティップランは春であっても少しレンジが落ちたアオリイカをねらいやすいんです
進化し続けるカヤックエギング
浅場の通常エギングと深場のティップランを1本でこなしたくて、専用ロッドまで開発。現在はシャローエリア対応の新しいエギもテスト中です。
毎年新しい発見があるのがカヤックエギングの面白さ。岸近くを中心に楽しめるので、安全マージンを取りやすく、初心者にもおすすめの釣りです。

昨年はモンゴウイカがキャスティングティップランで絶好調。釣り味はアオリイカに劣りますが、めちゃくちゃおいしいです
【カヤックエギングの必須アイテム】

カヤックエギングロッド
ティップランエギング、キャスティングティップラン、浅場の通常のエギングと1本ですべてこなせるロッドとして作ったbiFarr・フェイザー(33,000円)。3.5号のティップランエギをオーバーヘッドでフルキャスト可能です

通常のエギ
水深10メートル以内のポイントでは、陸っぱりで使うエギを使用。沈下速度(1m/秒)×水深でカウントして着底を判断、シャクリを入れます。写真は私が絶対的信頼をおくデュエル・イージーQキャストプラス

ティップランエギ
水深10メートル以深ではティップラン釣法が活躍。ノーマルで水深30メートルぐらいまで。潮が速いときや、40メートル以上をねらうときは専用シンカーを追加する。写真は元祖ティップランエギ、バレーヒル・スクイッドシーカー

魚群探知機
魚群探知機でアオリイカイカ自体を捉えることはできませんが、水深、小魚の群れ、ボトムの質の把握は必須。またアタリがあった場所を再度攻める上で、航跡記録がとても役立ちます

パラシュートアンカー
ティップランエギングではパラシュートアンカーは必須。bifarr・パラシュートアンカー(8,965円)はデッキ上でかさばらず、収納袋がそのままフロートになっていて回収しやすいのが特徴です。鮮やかなオレンジ色で視認性も抜群

偏光グラス
エギングではラインやティップの変化を見てアワセを入れるので、偏光グラスの有無で差が出ます。私はスミスオプティクスの偏光グラスを愛用しています
■掲載のbifarrアイテムの問い合わせ先
https://bifarr.com/contact/
※本記事は『カヌーワールド』VOL.30の連載「カヤックフィッシング虎の穴」から抜粋したものです。バックナンバーの連載記事などもぜひご覧ください。

油断しているとランディングで墨をかけられ、顔もウエアも真っ黒に……。それでも笑顔が出てしまうのがエギングです
(著者プロフィール)
赤澤克哉(ホエール)
千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。カヤックから釣れる魚種ならなんでもねらう。子育て奮闘中のアラフィフカヤックアングラー。JSPA(日本セーフティパドリング協会)シットオンアドバンストインストラクター。bifarrテクニカルアドバイザー。Palmフィールドテスター。Bluestormフィールドテスター。
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